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認知症ケアの本命です
 
   



雲母書房2011/06/20
三好春樹、特養ホーム諏訪の苑
A5判 / 並製168頁
価格 1,600円(税込:1,680円)

■--- 新しい本が出た。私と特養ホーム諏訪の苑スタッフとの共著だ。大に大きく「食事・排泄・入浴ケア」とあるが、その上に「認知症のお年寄りが落ち着く」とある。そう、これは認知症ケアの本なのだ。しかも本命。

これまでの認知症ケアの本で欠けていたのがこの「食事・排泄・入浴」である。この老人の心身の安定にもっとも大きな影響を与える領域には興味を示さないで、なにやら対人関係技術のようなものを手に入れたがる連中が多すぎるのだ。落ち着かない老人を私の技術で落ち着かせよう、なんてのは自意識過剰の介護である。必要なのは、老人が落ち着くような生活づくりをすることだ。

この本の1章と5章は私の講座、2〜4章には特養諏訪の苑スタッフの食事・排泄・入浴の実践が、豊富な写真、資料と共に報告されている。

施設関係者は言うまでもないが、「施設じゃなくて在宅だ」と無理な強弁をしているグループホームや、ほんとの在宅にかかわっている関係者にもぜひ読んでほしい。特に”ケアを知らないケアマネ”は必読だろう。医者に薬の処方を頼む前にすべきことがあると少しは気付くのではないか。

私の2本の講座は「認知症のお年寄りが落ち着く条件」と「認知症のお年寄りにいかに寄り添うか」と題している。1本目は最近の講演内容、2本目は昔から語っている近代的な老人の見方への批判だが、あまり一般向けに語ったことはないものなので、施設ケアという枠と関係なく「講演集」としても楽しんでもらえると思う。

この諏訪の苑、一見、福祉関係者には見えない小松丈祐施設長が有名。じつはbricolageの表紙ウラの「装丁者のひとりごと」の石原雅彦さんの義母が入所している施設でもある。6月号の内容には施設職員なら感涙ものだ。こんな家族ばかりならなぁ。          (三好春樹)

   
     
         

 



目次紹介

 

第1章 認知症のお年寄りが落ち着く条件……三好春樹

どんな施設がいい施設か
家族が一番知りたいこと
見学させない施設はだめ 見学するときはどこを見るか
一番大切な「介護用品」は?
老人が迷惑をかけてはいけないのか
問題行動を受けとめよう
生活習慣を大切に
認知症ケアは食事・排泄・入浴から

第2章 認知症のお年寄りの食事ケア……諏訪の苑スタッフ

食事の基本は正しく座ることから
「諏訪の苑」の食事ケアの特長
おいしく食べてもらう工夫のいろいろ
食べなくなったときのケア(事例報告)
屋上菜園で野菜づくり

第3章 認知症のお年寄りの排泄ケア……諏訪の苑スタッフ

排泄と問題行動の関連をさぐる(事例報告)
「排泄最優先」をどう実現するか
「個別排泄表」で徹底チェック
「諏訪の苑」のトイレとトイレ誘導
早めのトイレ誘導で「オムツ外し」を実現

第4章 認知症のお年寄りの入浴ケア……諏訪の苑スタッフ

認知症のお年寄りが落ち着く「個浴」
「諏訪の苑」の個浴のポイント
個浴で実現できた個別ケア(事例報告)
普通の入浴を実現する方法
個浴による入浴介助

第5章 認知症のお年寄りにいかに寄り添うか……三好春樹

昔の認知症はどう扱われたか
「近代化」が行ってきた過ち
近代論理は認知症に歯が立たない
「老人=かわいそうな人」ではない
認知症ケアの基本は母性
介護は「アート」になり得る
80過ぎたら「生き仏」

 

 

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