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教育紙芝居のほんわかたのしい世界(8)

■タイトル
「杜子春-とししゅん-」
■作者
原作・芥川龍之介
文・堀尾青史
絵・小谷野半二
■制作

■発行
童心社
●好感度
○文  
★★
○絵  
★★★★
○反応 ★★★★ ……小6年

まず、表紙にべたっと貼られたバーコードに注目いただきたい。これが美的感覚よりも管理を優先する相模原市役所のお役所人間集団の仕業なのである。こういうざらっとした感性の持ち主たちとは話してもまったくかみあわないことが多い。文化財に対する損傷という意味もこめて、強く抗議したい。

画家の技術水準はハイレベル。色彩の豊かさ、省略のかんどころ、うまい!と思わせる。が、左の場面などは人物どうしの視線が合っていない。画料が安いとここまでなのだろうか。

原作とは異なり、思い切ってハッピーエンドにしてある。それはいいのだが、そこに至る主人公の内面の変化はどうしても説明不足になるだろう。芥川は仏教的な訓話の範囲にとどめているけれど、ストーリーの性質上それは必然的なことだった。従って、ここでは最後の場面に説得力がない。そこを言葉で補う必要があり、演じるのが難しい。子供たちはしっかり最後までついてきてくれたが。それは原作のもつちからだと思う。

■タイトル
かこさとし紙芝居傑作選
「てんぐとかっぱとかみなりどん」
■作者
文・かこさとし
絵・二俣英五郎
■制作

■発行
童心社
●好感度
○文  
★★
○絵  
★★
○反応 ★★★ ……小6年
子供に関わる仕事を膨大な量と時間でこなしてきた作家のもの。その分当たり外れもあるということだろうか。この作品は日本のとんち話をいくつか寄せ集めたような印象がある。前半に魔物たちの脅迫の場面があって、それぞれの特徴や要求が明らかになっていく。その過程で描写されるイケニエ対象の子供のだらしなさ、が後半と結びつかない。しょうもないような子供に神的な知恵が宿るというエポックがないからだ。それがないと、クライマックスのおもしろさが生きない。

そこを無理に引っ張っていって、なんとかおもしろく最後までもっていく。この作品の場合、対象の学年を3、4年くらいまで下げたほうがよかったのかも。

絵はギャグまんが風で親しみやすい。作品のいいかげんなところにとまどっているような、これでいいのか、という迷いも感じられる画面である。お気の毒。



(2009.2.15)

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