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教育紙芝居のほんわかたのしい世界(3)

■タイトル
「バーコーのかいぶつたいじ」
■作者
脚色・八木田宣子
絵・織茂恭子
■制作・発行
童心社

●好感度
○文 
★★★
○絵 
★★★★
○反応 ★★★ ……小5年
ベトナムの民話をもとに脚色されたもの。まず、すばらしい絵に惹き付けられる。東南アジアの熱気を伝えてあますところがない。怪物の造型に少々中途半端なところはあるし、怪物退治のメンバーがなぜか洋風なのも、気にならないかといえば、気になる。が、主人公がいいので全体としては許容できる。
洋風の王冠をかぶった助っ人たちそろい踏み。狼のとぼけた表情がいい。
この画家はあきらかにベトナム戦争時の民衆の抵抗戦を念頭においた造型をはかっており、それは主人公の躍動に顕著だ。
ところで、この話のなかには日本民話とも共通する要素がいくつか含まれている。まず『猿蟹合戦』や『桃太郎』的な部分。『岩見重太郎のヒヒ退治』を思わせる展開。神話のヤマタノオロチを殺すスサノオ伝説も考慮にいれていいだろう。アジアに広く分布する伝承説話の構成要素を考えるうえでも興味ふかい。

■タイトル
「おににさらわれたあねこ」
■作者
脚色・水谷章三
絵・須々木淳
■制作・発行
童心社

●好感度
○文 
★★★
○絵 
★★★
○反応 ★★★★ ……小5年
子供たちはバレ話が好きで、うんち、おしっこ、おしり、おちんちんの類いの話は「しんちゃん」の世界ではないが、底辺がひろい。この作品は題材にも関わらずじつに上品に仕上がっており、文を担当した水谷氏のそなえる詩情がおだやかに漂っている。絵の須々木氏もこれによくこたえており、左の場面なんかは出色のできだろう。
よく走る筆で簡素ななかに要点を押さえた描写がこころにくい。

このおしりぺんぺんによって鬼はおおわらいして、追跡に失敗。姉と弟は鬼の宝とともに人里へ帰ることができる。
とにかく子供たちにおおうけする場面である。こういうおおらかさは、児童ポルノなどの氾濫する現代には貴重だ。

(2006.11.6)

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